以下、PoP"n"RoLL FUNZINE Vol.001(2009/09発行)に掲載したものです。
チューザーズを知ってる方も、これから知る方も是非ご覧下さい☆
*******************************
チューザーズを知ってる方も、これから知る方も是非ご覧下さい☆
*******************************
The Choosers「やりたいのはパワーポップしかなかった」
Kei Sato : Vocals and Guitar
Fumitaka "Dado" Aida : Drums and Vocals
Jun Seino : Bass
Interviewer : KMD
Editor : PoP"n"A2Z♪
-------------------------------------------------------
初ライブがあのNIKKI CORVETTE(!)との共演という奇跡に始まり、今夏の全国ツアーも大盛況、今世界レベルで最も注目される、札幌のスーパーパワーポップトリオTHE CHOOSERS!!!
ポップでキャッチーな極上の楽曲、蒼く切ないワンウェイラブな歌詞、とろけるスウィートヴォイス、終止鳴り響くリッケンバッカー、お揃いのスキニータイ、足元は期待どおりのスニーカー、全てが理想的なパワーポップルールに合致するバンドが、ま、まさか札幌にいるとは。。。
パワーポップが好きなら好きな程、彼らの唯一無二のパワーポップに感動せずにはいられないだろう。そんな彼らのライブはパワーポップファンのみならず、全ロックファン必見!!!年末リリース予定のファーストシングルは一家に一枚の超名盤で間違いナッシング♪
-------------------------------------------------------
上記はChoosersの企画「The Rock Show」Vol.3用のバンド紹介文を依頼され書いたものである。あえて「パワーポップ」という言葉を多用し、ベタな表現を使い、彼らを知らない音楽ファンに向けて、少しでもどんなバンドかを想像させ、興味を引くよう努めた。
なぜなら、札幌にいるパワーポップファンはChoosersの存在を知るべきだと強く思うからである。
俺は東京にいながらChoosersに出逢えて本当にラッキーだと思っている。
パワーポップを意識しているバンドで、彼らほどグッとくるバンドは東京ですら殆ど存在しないし、世界的にみても俺の知る限りではトップクラスと言っても過言でない。
そんなバンドが俺の地元である北海道は札幌に突如現れたのだ。少なくとも俺は最近まで彼らの存在を知らなかった。それもそのはず、初ライブは2006年のNikki Corvette来日の前座、俺が札幌から東京に移ってすぐのことである。関口弘氏より「Nikki Corvetteの来日時、地方でもやりたいらしい」との情報を頂き、BaseのTCO氏を紹介してもらい、俺の妹Candy Nutsがヴォーカルを務める60s Girls Groupスタイルのパーティバンド、Margarettsに企画を託して、俺もDJで参加することに。MargarettsリーダーのDevoより、「是非対バンに誘いたいバンドがいる」ときて、登場したのがChoosersだった。
今回のインタビューは、そんな謎のベールに包まれたChoosersのメンバー全員の参加を志願し、彼らの大ファンであり、俺のパワーポップ師匠であるKMD氏をインタビュアーにむかえ、札幌の某お洒落バーにて密かに開催された対談(トータル4時間以上!)を凝縮したものだ。普段は謙虚で大人な彼らだが、酒の席ということもあり、ぶっちゃけて話しているので、予想以上に興味深く、面白い内容になっている。KMD氏Greeeaaat work!!!
★結成までのいきさつは?
Kei (K):元々バンドがやりたくて、1998年頃大学でロック好きな人がいて、その弟がダドさんで、遊んでるうちにバンドやろうって。
Dado (D):はじめ姉抜きで2人でウチで遊んだんですよ。ウチには盗んだギターがあったけど、その時はまだバンドやるって話はしなかった。
K:俺がギターボーカル、ダドさんがギター。その後インターネットの掲示板でベース募集して、書き込みしてきたのがセイノさん。
Seino (S):ニルヴァーナのファンサイトで見て俺がメールして、電話番号教えてケイちゃんがかけてきてくれて。
K:電話したら低い声でぼそぼそしゃべって、俺ハードコアが好きでとか言うからどんな怖いやつ来んのかなと思ったけど。
S:俺ケイちゃんと初めてあった時のことはよく憶えてて。車で迎えにきてくれて会ったら結構イケてそうな人だなって。
K:でもセイノさんの方がよっぽど印象的だったよ。初対面の人ってなんか社交辞令っぽい話とかするじゃないですか?そういうのが一切なくて。
音楽の話しかしなかったし、批判とか当たり前のようにしてきて。俺とダドさんが知らないバンドとかあったら、そんなのも知らないの?みたいな。
凄い尖ってて。でもセイノさんが一番音楽詳しくて色々持ち込んでた。
D:楽器は一番駄目だったけど。
K:そもそもまったく弾けなかったですからね。
S:それから2年くらいドラムが決まらなくて、ドラムマシーン使って3人でスタジオ入って練習したりしてて。
K:当時よく出入りしてたレコード屋(サードイヤー)の店員の紹介で前のドラムが入って、最初は4人だったんですよ。
D:ドラムが決まったのが、ライジングサンの一年目だから2000年ですね。
★音楽的なスタイルは当時と今は変わらない感じだったんだろうか?
K:今はもうやってる曲はないけど曲作りはしてて、当時からパワーポップが好きで、付き合ってた彼女(現在奥さんのマユミさん)につくったテープが全部パワーポップだったんですよね。あとギターポップとか結構何でも聴いてた。カバーしてたのはFlamin' Groovies, Big Star, Pastels, Velvet Undergroundとか。俺は中学生からロック聴いて、ギター弾き始めてバンドもやってて。一番初めに好きになったのが、Hanoi Rocksで。それでRolling StonesとかNew York Dollsとか聴いて。高校からパンクに夢中になって、RamonesとかSham69とかコピーしてた。あとセイノさんが色々聴かせてくれたのもあって、系統化されるのにメンバー全員反発してた。パンク天国、KBDをあえてどうなの?とか。これちょっと発言的に調子に乗りすぎだ。でもまず曲ありきっていうのはあって。そういう気持ちは当時から凄い強かった。
D:あの頃ギターポップって言われるのが凄い嫌だったよね。
K:ギターポップのバンドに気に入れられてイベントとかに誘われたりしても、断ったりして。嫌悪さえしてた。でもそういいつつ、口だけで自分達のやってることはどうなのみたいな。
S:当時〜系になるのは嫌だったけど、実態はダラダラしていたという。
K:それで行き詰ってライブやるの止めたんですよ。それから5年くらい曲作って合わせても、ものにならなくて。
S:そうこうしている内にドラムがしびれをきらして、辞めちゃって。
K:元々音楽の志向とかも少し違ってたのもあったしね。
S:代わりを探すっていうのも考えたけど、見つからないんじゃないかってことで、どうする?ってなって。
K:それで全くやったことのないダドさんがドラムをやることに。
★ダド君はドラムに転向することに不安とかなかったんだろうか?
D:元々興味あったんで、それは特になかったですね。
K:でも3人になって一気に良くなったんですよ。音楽もバンドとしても焦点が定まって。
D:やりたいことが見えてきたっていうか。3人になって初めて音出した時なんか変わったよね。
K:バンドのことでみんな発言する人じゃないんで、俺一人で他の人はこうしたいんじゃないのかとか勝手に思ってたけど、
この3人になってそういうのがなくなった。
S:3人になっていきなり纏まったわけじゃないけど、どう纏めればいいかがわかってきたんじゃないかな。
★その頃に今のバンド名になったのかな?
K:そうですね。みんなで「~ズ」って最後にSがつくバンド名を持ち寄って、セイノさんの"Choosers"に決まった。
D:俺はRock'n'Roll Love Lettersが良かったんだけどな〜
K:Backyard Guysとかもあったね。でもやっぱそれはないかなと。
★由来は?
S:特に意味はなくて。かっこ悪くなくて、一生懸命に辞書ひいたみたいのじゃなくて、わざとらしくなかったらいいかなってだけですね。
K:何でも良かったんですよ。名前なんて後からついてくるもんじゃないですか。
★Choosersを聴いてて思うのは、メロディが強いということなんだけど。
K:まず初めに曲ありきっていうのは大前提にあって。そこから焦点を定めてやっていくとなると、結局やりたいのはパワーポップしかなかった。
S:Kちゃんの曲を一番うまくやるにはどうしたらいいか考えた時に、Kちゃんの根底にはBeatlesがあって、そこに焦点を絞っていった方が良いかなと。
K:確かに一時期Beatlesしか聴いてない時があって、カッコ良く言えばBeatlesは染み付いてるみたいなところはあるかもしれません。マージービートのリバイバルは好きじゃないけど、Spongetonesみたいな突き詰めてるバンドは好きで。まぁ俺たちもマージービートって言われたりもするけど。
S:Beatlesが好きな70年代のアメリカのバンドは素晴らしいというのがあって。そうなるとやっぱり70年代のアメリカのパワーポップバンドになるかなと。Heatsみたいなバンドに出逢うまで時間がかかった。
K:Heatsのような70年代のパワーポップバンドのサウンドは、理想的なかつ目指してるサウンドといえるかもしれませんね。
S:また色んなもの聴いてきたからこそ、70年代のCCRとか、90年代のBumとかの普通のロック感みたいなのにも惹かれて、王道のシンプルなロックの凄さを再認識して、その感覚をうまくバンドでできればってのはあります。
K:Bumはパンクでもあり、普通のロックとして素晴らしいしね。またBumみたいなバンドに肩入れしちゃうのは、俺たちはある意味田舎者なんで、あのキメキメじゃないところとかに親近感がありますね。
S:ただ王道しか知らない音楽もつまらないし、かといってマニアックすぎる音楽もつまらないし、そのバランスが難しいとこですよね。
K:ある一定の層にしかわからないマニア向けの音楽はくだらないって思ってるとこもあって、Sex Pistolsみたいないろんな方向から話せるバンドにはやっぱり魅力を感じるし、自分たちもそういう間口の広いバンドでありたいってのはあります。
S:話を戻しますけど、作詞する上で60年代の職業作家みたいな韻を踏むだけに言葉を選んでるような他愛もないけど、完璧に歌として成立している型をまず知らないと駄目だなって。
K:さっきも言ったけど、まず曲ありきっていうのはそういうことなんだよね。詞の内容とかじゃなくてさ。いい歌ってワンフレーズだけで自分に持ってきて想像できたりするじゃないですか?ワンフレーズだけで自分の中で広がれるっていうのが歌だと思う。歌詞は全てセイノさんが書いてて、そういったことを踏まえて完全に信頼してます。
★聴き手を大事にするということかな?
K:聴き手を大事にするっていうとカッコイイですけど、自分で聴くときどうかっていう問題で。そういう意味で俺たちにとって歌詞ってもの凄く重要です。今それが出来てるとはいえないけど、そういう意識は常にあります。
S:英語は母国語ではないけど、ロックンロールは英語圏の音楽なわけじゃないですか?だから何をやるんでも、その基本の型から始めないとできないと思うんですよ。型を破るにしても、その型がしっかりしたものでなければ、格好良いものも生まれてこないと思うし。英語で歌う以上、他愛のないラブソングでも英語圏の人に受け入れられるものを不器用でも歌えればいいんですけどね。
★では、それぞれ影響を受けたアーティストを教えてください。
K:音楽的にいえば、Raspberries, Sorrows, Heats, Titan!全部, Rubinoos, オブスキュアなB級パワーポップの数々。自分の歴史において重要なのは、Hanoi Rocks, Rolling Stones, Beatles, Ramones, Nirvana, Big Star, Raspberries
S:Replacements, Badfinger, Jackie Deshannon, Jeff Barry
D:Buzzcocks, Badge, Bum, Blondie
★全部Bで始まるけど?
D:狙いました。
★カバー曲はどんなのやってるのかな?
K:Artists!/C'mon, リンドン/赤いドレスは着ないでおくれ, はよくライブでやってます。あとはBeat/Rock'n'Roll Girl, Big Star/September Gurls, Radio City/Fallen Angels, Plimsouls/Everyday Things, Romantics/Forever Yours
★Margarettesとの共同企画"The Rock Show"と今後の活動について
K:Choosersとしての初ライブはNikki Corvetteの前座だったんですけど、あれはMargarettesのディーボ君とポール君がブッキングしてくれたんです。以前はスタジオで練習してるだけで「まだこんな曲じゃダメだ」ってのばっかりだったけど、実際はライブでやってみないとわからなかったり、経験しないと気づかないことがあるわけで。今のChoosersがあるのは彼らのお陰です。それからThe Rock Showの原型"ロックコンサート"でCokes、Fragmentsと共演して、彼らの口添えで東京でライブしたりするようになって、頭でっかちだった自分たちが、だんだん活動しているバンドになってきてて。本当に彼らにも感謝してます。なんせ行動力のない俺達なんで、周りの人に世話になりっぱなしで。まだまだ経験不足で演奏力もないですけど、注目していただいている皆さんに少しは期待に応えられるようなものをやっていきたいですね。
以上、このインタビューを通して、Choosersが決して突然変異のバンドではないことがはっきりした。水面下でオリジナルサウンドを追求し、唯一無二のパワーポップトリオとして表舞台に現れたのだ。
兎に角、この種の音楽が好きだと自負する人でChoosersを未だ知らない人は、彼らの音楽「パワーポップ」に一刻も早く触れて、どれだけ素晴らしいかを肌で感じ取って欲しい。
最後に、Choosersのファースト7インチシングルについて、実は我らがPoP"n"RoLLでレーベルを立ち上げてリリースする予定である。記念すべき第一弾をChoosersでやれることは誇りであり、挑戦でもある。何より楽しみで仕方がない。乞うご期待!
0 件のコメント:
コメントを投稿